「長時間歩くと疲れるから、クッション性の高い靴を選ぶ。」
「身体に優しいから、できるだけ柔らかい靴を選ぶ。」
そういった考えはありませんか?
確かに、クッション性の高い靴を履くと、着地したときの衝撃は柔らかく感じます。
足を守ってくれているような安心感もあります。
だから、「クッション性が高い = 身体にやさしい = 疲れにくい」
そんなイメージを持つのも自然です。

ただ、私たちBAREFOOは、それによって見落とされている点もあると思っています。
【「柔らかく感じる」=「身体にかかる力が小さい」?】
クッション性の高い靴を履けば、着地したときの衝撃は柔らかく感じます。
では、本当に身体に加わる力そのものも小さくなっているのでしょうか。
ここが、今回考えてみたいポイントです。
1997年、British Journal of Sports Medicine に掲載された研究ではクッション性・機能性を強調した運動靴を使用している場合では、傷害の発生率が高いという結果が報告されました。
柔らかい素材によって衝撃から守られている感覚が、無意識に着地の仕方を変え、結果として強く着地してしまう可能性が指摘されています。
つまり、「守られている感覚が、動作を変えてしまう」ということ。
身体は、足元の環境に合わせて無意識に動き方を変えていきます。
【人間は「足裏」で変えている】
一度、裸足で立ってみてください。
・床が硬い。少し冷たい。
・右側に体重が乗っている。
・指先に力が入っている。
・かかとに体重が集中している。
普段は意識していなくても、裸足になるといろいろな情報を感じられると思います。

足裏は、単に体重を支えているだけではなく、身体を支える土台です。
だからこそ、「どうすれば楽に歩けるか」だけではなく、「自分の足の力を引き出せるか」という視点も、靴選びにはあっていいのではないでしょうか。
【履き物が変わると、身体の使い方も変わる】
このことを考える上で興味深い研究があります。
2010年、ハーバード大学のDaniel Lieberman教授らは、裸足ランナーと、高性能シューズのランナーの着地を研究しました。

高性能シューズを履くランナーでは「踵(かかと)から着地」する傾向が強く、裸足ランナーでは「前足部や足裏全体」に近い着地が多く観察されました。
分析によると、硬い路面であっても、裸足で前足部着地をするランナーは、靴を履いて後足部着地をするランナーよりも衝突力が小さいことがわかっています。
この違いは主に、着地時の足底屈曲角度が大きく、衝撃時の足首の柔軟性が高いことで、地面に衝突する身体の実効質量が減少します。(※これはランニングについての研究です。「踵から着地するのは悪い」「裸足なら身体を痛めない」という意味ではありません)
ただ重要なのは、衝撃が消えているわけではなく、体の中で処理される場所が変わっているという点です。
その結果、足部で吸収されるはずだった力が膝や股関節、腰へと回される可能性が生じます。
私たちが注目しているのは、もっとシンプルな部分です。
「履くものが変われば、身体の使い方も変わる。」ということ。
普段何気なく履いている靴も、私たちの歩き方や身体の使い方と無関係ではないのです。
【裸足歩行では、関節への負担が軽減する!?】
裸足で歩くと、関節への負荷が変わった研究も
歩行についてもとても興味深い研究があります。
2006年、ラッシュ医科大の研究では、膝の変形性関節症を持つ75人を対象に、「普段の靴を履いて歩く場合」と「裸足で歩く場合」を比較しました。
その結果、裸足で歩いたときには膝と股関節のピーク負荷が低下し、膝内転モーメントは11.9%低下しました。
ここからも、「何を履くかによって、身体にかかる力や身体の使い方が変わる可能性がある」ことが分かります。
【クッションが「悪」なのではありません。】
私たちは、「クッションをなくした方がいい。」と言いたいわけではありません。
足を休ませたい日もあります。
ハードな運動のあと、クッション性のある履き物が心地よく感じることもあります。
身体の状態によって、サポートが必要になることもあります。

ただ、「足が疲れそうだから、もっとクッションを増やそう」
という選択だけになってしまうと、一つ大切な視点を見落としてしまうかもしれません。
それが、自分の足そのものを使うことです。
足には、本来たくさんの役割があります。
・足指を動かす。
・足裏で地面を感じる。
・身体を支える。
・バランスを取る。
歩くたびに形を変えながら、地面からの力を受け止める。
そして、次の一歩へ身体を運ぶ。
私たちの足は本来、進化の過程で培った、ものすごい機能が備わっています。
だから、「どうすれば足を疲れさせないか?」だけではなく、「どうすれば自分の足をちゃんと使えるか?」という考え方があってもいい。
私たちはそう考えます。

【「疲れない靴」を探すだけでなく、「使える足」へ。】
現代には、足を守ってくしてくれる素晴らしいものがたくさんあります。
でも、私たちが一生付き合っていくのは、靴ではなく「自分の足」です。
「守る」だけではなく、自分の足を使う時間をつくってみる。
そんな考えもあるべきなのではないでしょうか。
【BAREFOOが薄いソールにこだわる理由】

BAREFOOのソールは、約6mm。
一般的な靴と比べれば、かなり薄い構造です。
なぜ、ここまで薄くするのか。
それは、「足を守りながら、できるだけ足本来の感覚を残したいから」です。

安全に裸足を楽しめるアイテム。
その選択肢としてBAREFOOをつくっています。
私たちはこれまで、「疲れないために、どうサポートするか」をたくさん考えてきました。
足し続けていました。
でも、もう一つ考えてみてほしいことがあります。
「自分の足は、ちゃんと使えているだろうか?」
引いて考える選択肢。
BAREFOOは、そのきっかけになるフットウェアでありたいと思っています。