BAREFOOの始まり

BAREFOOの始まり

【裸足で走る生粋のランナー】

私が「BAREFOO」を立ち上げたのは、叔父のランニング体験から始まります。

叔父は11年間にわたる生粋のランナーで、普段から裸足やワラーチを履いて走り回っています。

彼のフルマラソンの記録は、裸足で3時間43分、ワラーチで3時間42分というタイムを持っており、私にとって非常に興味深い存在でした。


しかし、その話を聞いたとき、なぜ靴を履かずに裸足やワラーチで走るのか、疑問に思ったのです。

聞いてみたところ、『怪我するから』『裸足やワラーチの方が楽しいから』と言う返答に、私はさらに疑問が湧きました。

 

『靴の方が安全なのでは?』『靴の方が快適で楽しいのでは?』私はそう考えました。

その疑問を晴らすべく、詳しく話を聞きました。

 

【苦悩との戦い】

そんな叔父がランニングを始めたのは、今から11年前のことでした。

楽しく始めたランニングでありましたが、走り出してまもなく度重なるケガに悩まされることとなりました。

 

腸脛靭帯炎をはじめ、シンスプリント、アキレス腱炎、足底筋膜炎といった深刻な怪我が続き、特に腸脛靭帯炎はランナーとして致命的なものでした。

3年間もの間、走っては痛み、良くなったと思い、また走っては痛むの繰り返しでした。

 

痛みを抱えながらフルマラソンを走るも、10キロ地点でリタイアするような状態でした。

苦悩の中での走りは、彼のマラソン熱を奪っていきました。

 

『もう生涯走ることはできないかもしれない。』

 

そんな思いが彼の頭の中に少しづつ膨らみ、走ることをやめようかと考えていました。

 

【偶然の出会いが人生を変えた】

そんなある日、転機が訪れました。


ある登山のイベントに参加した彼は、サンダルのような履き物を履いたランナーを見かけました。

まるで裸足のような軽快な足運びで、全身をバネのように使い登山道を楽しそうに進んで行きました。

彼はたまらず、声をかけてみました。

どうやら、ワラーチという履き物らしい。

 

初めて見る、彼の目に止まった一つのサンダル。

それが「ワラーチ」でした。

 

その人に声をかけ、自分の怪我の悩みを相談したところ、「裸足の良さ」「足を解放することの大切さ」について教えられました。

 

『もしかしたら、シューズを脱ぐことで自分のケガが治るかもしれない』

そして『走る楽しさがまた戻ってくるかもしれない』と心に光が差した気がしました。



そのアドバイスを受け、叔父は自らワラーチを見よう見まねで作成していく日々となりました。

初めて履くワラーチの心地よさ。

大地を感じ、まるで何も履いていないかのように軽やかに走れる感覚を感じ、走る楽しさを再び取り戻した瞬間でした。

 

 

最初こそ足底筋膜炎などの軽いケガはありましたが、従来の悩まされていた大きなケガは次第によくなり、徐々に長い距離を走れるようになったのです。

そしてワラーチを履くことで、足の筋肉やバランス感覚が鍛えられ、自然なランニングフォームが身につきました。

 

その後、次第にワラーチでのランニングに慣れると同時に、裸足でのランニング、いわゆるベアフットランニングにも挑戦し始めました。

驚くべきことに、ケガに苦しんでいた時とは打って変わって、フルマラソンの自己ベストを更新し、ついにサブ4(フルマラソンを4時間以内に走り切ること)を達成。

その後も更新し続け、今に至ります。

 

【BAREFOOの未来へ】

この話を聞いて、私はワラーチに興味を持ち、裸足に近づくことの大切さについて学び始めました。

人類のこの長い歴史において、厚い靴を履き始めてからまだ100年も経っていないでしょう。

現代人は、足本来の機能を失いつつあるのではないかと考えるようになりました。

 

そしてその機能を取り戻すことが今、重要なのではないかと思うようになったのです。



叔父の経験をもとに、私は「裸足感覚で歩ける靴」を作りたいという思いを抱きました。

こうして、新しいタイプのワラーチ「BAREFOO」が誕生したのです。

 

叔父の苦悩がなければ、BAREFOO は誕生していなかったかもしれません。

彼の経験が形となり、これから多くの人に新しい運動の体験を提供することができることを誇りに思います。

 

この「BAREFOO」がどのように多くの人に影響を与えていくのか。

その物語はまだ始まったばかりです。